4月19日金曜日、アップリンクでの2週間にわたる上映も、最後の日を迎えました。予想だにせぬ、冬のような寒い夜です。今日は、不思議なタイミングで(?)、あの大木裕之監督も来てくれました。

上映後、福間監督と、ぎりぎり間に合って到着した小原早織さんは、お礼の挨拶に立ちました。
「アップリンクでの2週間、ぼくの映画をみてくださったみなさんに、ほんとうに感謝します。ぼくの作品は、なかなか受け入れてもらえないところもあって、上映にはいつも苦労してるんですけど、ひとりひとりがきちんと受けとめてくれて、それぞれの言葉で感想をもらえて、ありがとうを言いたいです」と福間監督は、上映の終わりを、ちょっと名残惜しそうに言いました。
小原早織さんは、今年3月に大学を卒業して4月1日から働き始めたばかり。早くも今日、残業をこなして職場から駆けつけたところでした。
「学生のときにはわからなかった、毎日働いてる人が映画をみる時間をつくるってことがどんなに大変か、社会人になってまだ日が浅いですけど、すごく実感しています。だから、こうして来てくださっている方に、ほんとにありがたいなあって、改めて思いますね」と、小原さんはしみじみと言います。

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「この映画で、小原早織人気がどんどん高まったけど、先日も『三銃士』トークのときに出た「芝居しない」というの、ぼくの映画以外もそうだったの?」と福間監督から、いまさら(?)の質問です。
小原さんは、中学・高校時代にテレビドラマなどに出たことがあるのです。
「そんなことないですよ。スタジオの、しーんとしてピリピリした空気の中で、もう何も聞こえないぐらいの緊張が来て、どうにもならなかった、なんてことばかりでしたよ。福間監督は「普通にしてていい」だったから、気がラクだったし、『わたしたちの夏』も『ユキ』もスタッフがほとんど同じだったから、余計に。まわりの音も、自然にそのまま聞こえてるから、より普通でいられたって感じですね」と小原さん。
「へー、そうだったんだ」と福間監督も初めて聞く小原さんのエピソードが出ました。
福間・小原コンビが生みだす「普通」に、これからも期待したいですね!

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今日は少々センチメンタルな雰囲気の、監督と主演女優でしたが、福間監督は最後にこう締めくくりました。
「映画をつくり続けること、見てもらうことが、大変な時代ではあるけれど、ぼくはあきらめない。あきらめられない自分を大事に、これからもつくり続けていきます。どうかみなさん、よろしくお願いします!」。

『あるいは佐々木ユキ』を初めて見てくださった方、旧作とともに見てくださった方、何度も見てくださった方、うれしい感想をくださった方、そして、アップリンクのスタッフのみなさん、ほんとうにありがとうございました。
『あるいは佐々木ユキ』は、高崎、大阪と旅をつづけます。
あちこちでの出会いを夢みて、もうすこし歩いていきます。
これからも、どうか応援してくださいね!


宣伝スタッフ ぶー子
写真撮影  加瀬修一