1月29日火曜日。今夜は、ついに主演の小原早織さん登場です!
小原さんは「コハラ」さんと読みます。「小原」さんの名字は読み方が何通りかあって、よく混同されるけど、コハラ・サオリですので、あらためてよろしくお願いします。

小原早織さんの人気は、福間監督の前作『わたしたちの夏』のサキちゃんでくすぶっていたものが、『あるいは佐々木ユキ』で勢いを増して開花している様相です。ツイートに投稿された感想で、「超絶かわいい」や「その目にクギづけ」「とにかく小原早織」などなどなど、もう止まない早織ちゃん熱が広がっています! というわけで、盛況な今夜は男性のお客様が多いですねえ。

壇上にあがった小原さんと福間監督。
あれ、その間のテーブルには、なんとブタくんたち! ユキが「子どものころから一緒だったんだ」と言うブタくん3匹です。ちなみに、あの喋るぶー太は小原さんのもので、あとの2匹のぶー子とぶうやんは福間監督のものです。福間監督は、モノも景色も身近にあるものを使うと言います。小原早織さんも、じつは大学で福間先生の教え子。これ、身近って言うんですか?

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「『あるいは佐々木ユキ』の編集に入る前に、ポルトガルを旅行したんだけど、ある村で出会ったジプシーの少年、彼の目に惹きつけられた。その目はチャーミングだけど、ぎりぎりのところで生きている。この目は小原早織の目だ!」。
福間監督は、そこから『あるいは佐々木ユキ』の編集のポイントが見えてきたと言います。
そして『あるいは佐々木ユキ』をみて、どうだった? と小原さんに尋ねます。
「撮ってるときは、まったくどうなるかわからなかった。出来上がって驚きがまずあって、自分が客観的に見えなかったですね。詩や音楽を浴びる感じでした。好きなシーンはまず、監督の詩の朗読が入って音楽があって、砂丘のところ、『わたしは時をかける少女だ』というところです」。
福間監督「あそこは唯一写真を使ってるんだけど、あれは小原さんがフランス留学中に撮った写真を使ったんだよね。貢献してもらってるんです」。
「ボルドーの有名な観光地の砂丘なんですけど、あの影はわたしなんです」と小原さん。

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さらに好きなシーンについて「ごはんと明太子を食べるところ。あれ、お箸が落ちたのでどうしようかと思ったんですけど、まあそれに付いてる米粒食べちゃいましたね」と小原さんは言います。
「だから1回しか撮れなかった。自然に出てきたものだからそれを使おうと」と福間監督。
「あと、千春さん登場のシーンも好きですね」。
「あれは、立川でパリに見えるかもしれない場所、を探したんだよね」と福間監督。
「もうちょっと引きで撮ると、もろ立川ですよね」の小原さんのコメントに、場内には笑いが!

小原さんは監督に尋ねます。
「ホンを読んでもよくわからないし、撮影のときもどういう話になるのかぜんぜんわからなかった。構成や組み合わせは、どの段階でどんなふうに作っているんですか?」
「どんなふうにもできるように、映画自体を何通りにでもなるように、撮ってるんだよね。人間はどこかで、おとぎ話か物語の主人公なんだと思う。だから、いろんな可能性をもたせて撮るということかな」と福間監督。
それに間髪入れずに小原さんは鋭く質問。
「じゃあ、台本しっかり書いてといわれたらどうするんですか?」
「きちっとした台本書くと、お金がかかりそうだしね」
これには場内爆笑です。

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「観た人は気づかないかもしれないけど、アトリエの前の亮平さんと二人のシーンで、影がどんどん寄ってきてるの、わたし好きなんです」と小原さん。
「あれは影を撮ったんだよ」
「えっ、ほんとですか?!」
「カメラの一博さんが、あの構図をつかまえてくれたところで、気づいたんだけどね」と福間監督。
こういう裏話は、主演女優と監督からしか聞けないことですよね!

そんな二人の話は尽きませんが、そろそろ時間です。
福間監督は言います。
「小原早織は、ほんとうに力のある人で、『ユキ』は彼女の60%、でもそれでOK。100%やりましたのしんどさは、ちょっとね」
「でも、60%のわたしの感じを使える映画は、なかなかないのではないかなあ……。映画ひとすじでやっていける人いるけど、わたしにはできないかなあと」と小原さん。
小原さんはつい先日、新文芸坐の特集で、若尾文子さんのトークを見たとのこと。
「小さくて細くて、の80歳の若尾文子さんだけど、シャキッとしてるんですよね。自分の作品はあまり見てなくて、細かいシーンについて言われてもほとんどおぼえてない。自分の作品は見たくないみたいな……。若尾さんもああ言ってるんだから、わたしも見たくなくてもいいかな……」と場内を笑わせました。

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「あと3日で上映は終わります。冬の映画は寒さとの闘いでもあって、なかなかきびしかったけど、皆さん、今日はほんとうによく来てくださいました!」と福間監督は客席にお礼を言いました。
小原さん「わたし、ラムネ菓子を明日から配りましょうか」。
「あれ! 言ってなかったっけ。きのうから皆さんに渡してるんだよ」と福間監督。
「あれーー、知らなかった!」
小原さんの天然の笑顔は、ちょっと最近では得がたい「天使」のそれだと、つくづく思いますね。この人のこれからの人生、見つめていきたいです。

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というわけで、「ユキ」ちゃんから直接ではありませんが、ユキちゃんシンボルのラムネ菓子、受付で皆さんにお渡ししてます!

ポレポレ東中野での『あるいは佐々木ユキ』は2月1日金曜日までです。
31日木曜日の21時の回は、先日の大好評を受けて、〈福間健二の詩朗読にみちびかれて『あるいは佐々木ユキ』を体験する〉をふたたび行ないます。この稀有な体験をどうぞ味わってください。
星のまたたく冬の夜、妖精たちが東中野で待っています。


宣伝スタッフ:ぶー子
写真撮影:加瀬修一