1月19日(土)、今夜は若いお客さんがたくさんいらっしゃっています。というのも、今夜のトークゲストは作家・コラムニストのせきしろさんです!

せきしろさんは、作家・コラムニストとして多くの著書を出版されており、『去年ルノアールで』(2006)、『不戦勝』(2008)、『妄想道』(2009)、『逡巡』(2012)、『学校の音を聞くと懐かしくて死にたくなる』(2012)などがあります。
また、お笑いコンビのピース又吉直樹さんとの共著『カキフライが無かったなら来なかった』(2009)、『まさかジープで来るとは』(2010)や、バッファロー五郎Aさんとの共著『煩悩短編小説』(2011)など数々の共著も執筆されています。
昨年の福間監督の詩のイベントにゲストで来ていただいたのがきっかけで、せきしろさんには本日お越しいただきました。

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まずせきしろさんから福間監督に質問です。
「見たばっかりで映画の感想言うのはすごく難しいんですけど、聞きたかったのが、私の名前は佐々木ユキ、というせりふを3回言う意味って、なにかあるんですか?」
すると福間監督は、「変わったことをやるとか、うまくいかないかもしれないな、ということをやるときに、3回やったら狙ってやっているように思われるから、3回押すんですね」と解説。
「多分あれ5回いくと笑うじゃないですか、で、8回くらいいくと笑わなくなって、30回くらいでもう一回笑うじゃないですか。だから難しいじゃないですか、その加減とか。だから意図してるのかなって」とせきしろさんが言うと、会場からは笑いが。
またせきしろさんはこんな感想も。
「電車の音とかは耳に残るんですけど、ほぼ静かな感じで、僕が見た感想だと、午前中の10時半ぐらいの感覚がずっと続いていて、家に誰もいなくて自分ひとりの、学校を休んだときの感じがすごくよみがえるんですよね」
福間監督は、「照明なしでやってるんですけど、冬のいい光って午前中の光なんですよね」と「午前10時半の感覚」という指摘にうなずいていました。

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続いて子供の下校シーンの話題へ。
福間監督は、子供たちの肖像権の問題で、映画に収めることの難しさを語りながら、でもやっぱりいいんだよね、と。子供の下校シーンはいくらでも見ていられると話すと、せきしろさんも、5時間は見ていられます、ということ。
それをながめていると、色々なドラマもあるというお話でした。

福間監督は、失明する前に何が見たいか、と考えて、若い女の子が出てくる映画の決定版を撮ろうと思ったそうです。それでアイドル映画を撮ろうと思い、女の子へのオマージュ映画という気持ちで『あるいは佐々木ユキ』を撮ったと話しました。
せきしろさんはアイドルにも詳しいので、福間監督はアイドルや女の子についてせきしろさんを質問攻めに。せきしろさんはアイドルグループのスマイレージや東京女子流、女優の多部未華子さんが好きなのだそうです。

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最後にお二人の、作品を作っていくことや仕事への姿勢について。
福間監督が「もし『あるいは佐々木ユキ』とせきしろさんの作品とつながる要素があるとすれば、作品を成立させるのを、きちっと作っていくのではなくて、それ以外の方法を考えてみようというのがあると思うんですけど、どうですか? 表現をきちっきちっと積み重ねて、これが日本の文化の中で大切です、みたいに持ってこられると、やめてくださいって思っちゃうんですよね」と言うと、せきしろさんは、「そうですね、きちっと作ろうとは意識していないですね」とのお答。
そして、福間監督は、せきしろさんの作品にはギャグがあって、自分もギャグをやりたくて、映画の中に笑ってほしいところを入れているんだけれども、観客は笑ってくれない、どうしたらよいのか? とせきしろさんに尋ねたところ、映画の中の面白かったシーンをせきしろさんは話してくれました。
「僕はフランス語の台詞とか面白かったですよ。あれはすっごい笑いました。もうだめでした。何言ってるのか全然わかんないし。あれも3回でしたね。あとはやっぱり自己紹介は面白いですね。ふたりのカルタもすごいルールでしたね、成立するんだなって」。
福間監督「普通だったらカルタの絵柄を見せたり、カット割りをして作っていくんだけど、そういうこともしないし。せきしろさんはどうですか? ご自身の作品を書く中で、普通はこうだけど自分はこうじゃない、みたいなのはありますか?」
せきしろさん「ぼく、ほんと何も考えてないんですよ。11月から原稿全然書いてないんですよね」。
福間監督「じゃあ、主に普段何をしているんですか?」と直球な質問。
せきしろさん「ぼくは、ほぼ布団の中にいるんですよね。天井の模様を見てますね、阿弥陀模様の……。ほんとにやばいんですけど。寝るのが好きなんですね」
福間監督「ほおー! いいですねー! それは映画に撮ったら面白いですね」と興奮。
せきしろさんの、意気込みすぎないまったりとした面白いお話に、客席からは何度も笑いが起こりました!
みなさんも書店で、せきしろさんの著書、ぜひ探してみてください。

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『あるいは佐々木ユキ』2週目に突入しました。
まだ観ていないみなさんも、劇場に是非いらしてください。
トークの最後に福間監督は、「2回来てくれたら感激して抱きしめます」ということですので、すでにご覧になった方も、是非ともまたよろしくお願いします。

宣伝スタッフ:ぶー太
写真撮影:加瀬修一/ぶー子