1月18日金曜日、ちょうど公開から1週間がたちました。
今日のトークゲストは前田弘二監督です。
前田監督は、ひろしま映像展2005において、『女』、『鵜野』でグランプリを獲得、2006年には第10回水戸短編映像祭において、『古奈子は男選びが悪い』がグランプリを受賞。そして記憶に新しい2011年には、吉高由里子主演の『婚前特急』を監督し、大ヒットさせました。本作にて、第33回ヨコハマ映画祭新人監督賞、第21回日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞、第3回TAMA映画祭最優秀新進監督賞の三冠を受賞。今年に入ってからは、監督作であるテレビドラマ『太陽は待ってくれない』が劇場公開、そして現在、BeeTVにてドラマ『ラブ・スウィング〜色々な愛のかたち〜』を配信中。大活躍中の若手監督です。

福間監督も、前田監督の作品にはいつも刺激を受けている、とのこと。
福間監督の前作、『わたしたちの夏』の公開時にも、トークゲストとして登壇してくれました。
今回の『あるいは佐々木ユキ』は、試写で観ていただいた上に、ポレポレでは2日前と今日の二度目(つまり三度目!)の鑑賞後、福間監督とのトークにのぞんでいただきました。

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前田監督はまず、「今日ここで、どうしたらこの映画を伝えられるのかな、と思ったんですが、出てきた僕の言葉が陳腐になるぐらいものすごい映画だな、と思いました。ずっと楽しいんですよね、すごくドキドキもして、快感も得られました。何に感動しているのかわからないくらいの強烈さがありますね」と映画の感想を述べました。
それに対して福間監督は、「自分でもこういう映画だって言えないんだけども、わかってしまったら表現する意味はあるのかどうか、わからないから表現するんだ、というのがいいんじゃないかな。良い画があって、良い音があって、真ん中に女の子がいて、それを取り囲む人物がいて、全体として世界があればいいのかな、と。編集には時間がかかっていて、その間わからなくなることもあったのだけど、すっきりしたとこに行けたかな」との答。
編集や演出の話から、映画の作り始めの話へ。
「僕の作り方とはまったく違うので、どうやって作り始めたのかが知りたいです」と前田監督。

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福間監督は、「これは、前作にも出演していた小原早織さんでもう一本やろうかというところから彼女と話をしながら、彼女の持っているものも引き出していったんですね。はじめは『スマイル』というタイトルで、その後『佐々木ユキ主義』だったんだけども、主義と微笑みだけでは生きられないんじゃないかな、となって最終的に『あるいは佐々木ユキ』というタイトルになりました。映画の準備過程が作品に反映されている部分もあるね」と答えていました。

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カメラマンの鈴木一博さんとのエピソード、音響設計の小川武さんとの会話なども交えて、どうやって作品が出来たかを話したところ、前田監督は、
「監督とかカメラマンとかいろんな人の考え方が入っていて、とても豊かだな、と感じましたね」と語り、同時に、映画の中の豊かさがどう作られているかがわからないと話されました。
これに対し福間監督は、この豊かさは、決まりきった一般的に良いと言われるような芝居は使わないこと、スタッフそれぞれが監督とはまた違った考えで映画を思い描いているからではないか、とエピソードを交えての答。

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そして、ふたりの監督のこれからについて。
前田監督は「この『あるいは佐々木ユキ』で、インタビューや詩をこうやって取り入れる自由さなんかも感じて、もっといろんな可能性を追求して、映画を見る物差しを広げていきたい。撮り方も自由で、映画でしか味わえないものがあればいい、という気持ちでやりたい」。
すると福間監督も「そうだよね。これは映画じゃないと言われたら、じゃあ映画じゃなくていいと思うよね。一本の映画の中でいろんなことをしていいのに、パターンが繰り返されてるだけではね……。試せることを試していこうと希望を持っていきたいですね」とこれからの映画製作への姿勢を確かめていました。
歳の差30歳の前田監督と福間監督ですが、目指すものには通じるものがあるようです。
大活躍中の前田監督のこれから、とても楽しみですね。
そして、早くもふたりの次回作が待ちどおしいです。

宣伝スタッフ:ぶー太
写真撮影:加瀬修一