あるいは佐々木ユキ 公式blog

A Fairy Tale
福間健二監督作品  2013年/HD/カラー/79分

2013年05月



映画の作り方が詩を書くことに似てきたし、
詩を書くことが映画を作ることに似ている部分がある、僕の場合。

『あるいは佐々木ユキ』福間健二監督インタビュー

取材・文/ラジオ関西『シネマキネマ』

ぴあ関西版WEB  2013年5月28日
http://kansai.pia.co.jp/interview/cinema/2013-05/sasakiyuki.html





わたしと世界とユキと。見えるもののすべてへ。
『あるいは佐々木ユキ』レビュー

暁方ミセイ(詩人)

映画芸術2013年1月26日
http://eigageijutsu.com/archives/201301-1.html








大阪のみなさま、大変お待たせいたしました!
『あるいは佐々木ユキ』、6月1日からいよいよ第七藝術劇場で上映開始です。
第七藝術劇場では、『岡山の娘』も『わたしたちの夏』も上映していただきました。
福間監督にとって、十三の街はすでに馴染みの土地になっています。
6月1日(土)と2日(日)は、監督が劇場にいます! 
2日間とも、詩の朗読と舞台挨拶を行ないます。
耳から目へ、音から映像へ。『あるいは佐々木ユキ』ならではの試みを、大阪でも行ないます!
どうぞ迎えてやってください!
神戸映画資料館で見逃した方、京阪神の方、この機会にぜひともご覧くださいますよう、お願い申し上げます。

6月1日(土) 〜7日(金) 20:40 上映開始

6月1日(土)・2日(日)
  上映前(20:40から) 福間監督による詩朗読
  上映後(22:10ごろ)   福間監督舞台挨拶 


料金
前売り:1200円
当日一般:1500円 専門・大学生:1300円 シニア:1000円
*詩集割引あり 
 だれのどんな詩集でも受付時にご提示で、当日一般料金が1300円に!


第七藝術劇場
〒532-0024 大阪市淀川区十三本町1-7-27
サンポードシティ6F
tel:06-6302-2073 fax:06-6302-8820
http://www.nanagei.com/




ゴールデンウィークを過ぎてから、初夏を感じさせる天候がつづいています。
心地よい風の吹く5月18日(土)、『あるいは佐々木ユキ』はシネマテークたかさきでの初日を迎えました。今日は上映のあとに別枠で、詩の朗読会も行ないます!

2010年、第24回高崎映画祭での『岡山の娘』の上映を機に、福間健二監督は群馬県と深いつながりができました。2011年には詩集『青い家』により萩原朔太郎賞を受賞して何度も前橋を訪れ、そしてシネマテークたかさきで『わたしたちの夏』を2012年に、『あるいは佐々木ユキ』を今年2013年に上映していただくという幸運な経緯です。
群馬県は古くから、人々の文化への関心が高い土地です。とりわけ詩と音楽と映画。詩人であり映画監督である福間健二と群馬県とのご縁は、偶然ではなく引き寄せられたものなのかもしれませんね。

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さて、今日の高崎行きには、秘密のプロジェクト(!?)撮影班2名が同行しています。監督と二人は街を散策してから、午後3時前、シネマテークたかさきに入りました。いつものように、支配人の志尾睦子さんと副支配人の小林栄子さん、そしてスタッフのみなさんが、あたたかく迎えてくださいます。すでにお客様もロビーにあふれんばかりにいらしてくださっています。『ユキ』で、カッコいい千春さんを演じた吉野晶さんのご両親も、お住まいの行田市からいらしてくださいました。
午後3時半からの上映、今回は初めての2階のスクリーンです。たくさんのお客様に混じって福間監督も観ました。そして上映後、福間監督は大きな拍手をあびて、舞台挨拶へと。いつものように志尾支配人の進行で始まりました。

「群馬県と縁ができて、新作を皆さんに見てもらえて、ほんとうにうれしいです」と福間監督は、まずお礼を言ってから話しました。
「『青い家』という詩で『書くことがなくても書く』と言っていますが、この映画もどこか『撮ることがなくても撮る』というくらいの気持ちで撮ったところがあります。
もちろん、撮りたいと思っていることがないわけじゃないですが、主演の小原早織さんと相談をかさねて、彼女の持っているものが活きるように、佐々木ユキと彼女が真ん中にいるような世界をつくっていきました」。

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志尾さんは言います。
「今回まで福間監督の3つの作品を上映させてもらってきて、監督の独自の世界がますますいいかたちで動いていっているのを感じます。詩人でもある福間監督の映画には、詩の要素が大きく存在しているけど、『ユキ』では具体的にたくさんの詩が使われていますよね。これはどういう意図があるのですか?」。
「まわりの意見も聞いた上で、詩を使うのは今回を最後にしようと思った。ならば使ってしまえと。ユキが踊るところは、すでにあったカセットテープを実際にかけながら撮影した。でも『青い家』は、あとから入れようと思って、編集の段階で使ってみたらうまくはまったという感じです」と福間監督。
「それは偶然ではなくて、福間さんの映画においては必然だったのではないかと思うんです。しっくりはまるというか……。小原早織さん、つまりユキ、彼女の成長などは、カメラを通してどんなふうに感じてましたか?」と志尾さん。
「撮ってるときは、小原さんの成長とかということは、ある意味でよくわかってなかったんです。『ユキ』の撮影が1月にあり、3月に追撮をして、その直後に3.11があったんですけど、ぼくは地震が起こる2時間前に成田を発ってポルトガルに行ったんですね。ポルトガルの田舎の町に行ってジプシーの少年に出会った。そしてその目に惹きつけられた。彼はお金目当てでぼくに近づいたわけですが、その生きている目、奥になにか深い感情を秘めている目。これは、小原早織の目だ、と思ったんです。この体験から、まだ編集していなかった『わたしたちの夏』から『ユキ』へと、小原早織の目にポイントをおいて編集していくことになった。そこで見えてきたもの、大きかったです」と福間監督。
うーーん、このエピソード、なんだか詩ですねえ……。

さらに福間監督は、
「一方でおとぎ話ということで、たとえば、三つのものから選ぶときは一番小さなものを選ぶといいってこと、みなさんにこの映画から知ってもらえるといいなって思いますが、おとぎ話と現実のあいだで、ひとりの『人間』になっていくユキのまわりに、いろんなことが重なりあって起こっています。それを受けとめてもらえたらと思います」と語りました。
「詩と映画がどんどん近づいてきていると思うんですが」と志尾さん。
「そうですね。そうなってきたこと、それを望んでいたんだと思う一方で、なにか、そんなふうに詩を書き、映画をつくることが、許されることなのかどうかという気持ちも起こっていますね」。

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朗読会への時間が押してきて、志尾さんは、もうひとつお聞きしたかったことがあるんです、と言います。
「今回のチラシとポスター、パンフレットのデザイン、一般的にはスチールを配して内容を伝えやすくしますけど、この大胆さというか何かへの挑戦とも思えるデザイン、これはどういうことだったのですか」。
「いまのチラシのあり方にいつも不満があって、どうにかしたいと思っていた。画家の友人の作品が以前から好きだったので、思い切ってお願いすることにして、自分の作品として作ってほしいと頼んだんです。結果、賛否両論ありましたけど、『ユキ』にはこれでよかったと思っています」。
福間監督はそう言って、舞台挨拶を終えました。

ロビーには、福間監督にひと言感想を伝えたいという方が、順番を待っています。また若い女性もずいぶん見てくださっていたようで、うれしいことです!

そして、17時半からの朗読会の準備も着々と進められていて、2階にはコーヒーや紅茶のいい香りが流れています。
今回の朗読会は、高崎でどういうかたちでか朗読できたらという福間監督のかねてからの希望を、シネマテークたかさきの小林副支配人が中心になってあれこれ模索してくださった結果、劇場でやろう、それもカフェ気分を出してお茶付きで、ということで実現したものです。劇場内での朗読会は、シネマテークたかさき初めての試みです。スタッフのみなさんが工夫をこらして、この日の準備をととのえてくれました。
2階の片隅はさながら小さなカフェ。お茶に詳しいスタッフの方が、4種類のお茶を用意してくださっていて、お客さんの希望にテキパキと対応してくれています。福間監督が持参した、『ユキ』のロケ地である立川のお菓子のおまけ付き。お茶を手にしたお客様の顔がリラックスしてきて、いい空気に満ちています。

こうして、17時半。福間監督は挨拶なしで、いきなりお馴染みの「定番」的な作品から朗読を始めました。

「むこうみず」「トラブル」「いま」「もう言いあいもできない」

すこし緊張しているように見える今日の福間監督。ここでちょっとひと呼吸。
それから『あるいは佐々木ユキ』のことを話してから、映画のなかに使われたフレーズの入っている詩2篇と、劇中で本人が朗読している2篇の詩を読みました。

「光る斧」(もっとしずかに/あけてやらないと/そのふた、獰猛になるよ)
「もうすこし」(もうすこし歩いて/もうすこしへんになってみる)
「週替わりの部品交換」
「青い家」


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こうして生の声に耳を傾けていると、さっき見たばかりの映画の場面がよみがえってきます。客席の緊張もほぐれてきました。
福間監督も、すこしずつペースを取り戻して、声が熱を帯びてきているのが伝わります。

それからツイッターで発表している詩を2篇。

「立ちどまった恋」「真夜中、川べりの」

福間監督は、2011年5月からほぼ毎日ツイッター詩を書き続けています。10回で1篇の詩になるように組み立てられていて、togetterにまとめてアップしていますが、その1篇は意外に長いものになるとのこと。
「立ちどまった恋」はこれまでで一番viewの回数が多かったそうです。自分では、たとえば今回のがいいなあと思っていても、なかなかそのとおりview は伸びないそうです。
「真夜中、川べりの」は最新のツイッター詩。「川べり」という言葉は、福間監督の詩のなかに登場する最も頻度が高いものですが、今回は、いままで気がつかなかった、ソウル歌手のサム・クックの影響を意識したそうです。

そして、最近作った詩のなかから6篇。

「二度寝しないために」
「何をやってきたのか」
「窓」
 この詩は、昨年1月に亡くなった親しかった詩人の新井豊美さんの詩
 の、うつくしいフレーズを使っているもの。記しておきます。
 「生きることの罪と/生命の官能をつなぐ/金色のほそいみちすじ」

「彼の撮った写真」
 これは、萩原朔太郎賞をいただいてから、前橋文学館友の会会報に寄
 稿したもので、朔太郎を意識して書こうと思ったけどそれはなかなか
 むずかしくて、結局、朔太郎による写真集からイメージした作品との
 こと。
 「いまは遠くで思うだけだが/前橋に行ったら/会ってしまう男」と
 始まります。

「三つの風のうた」
 このひとつの〈卒業〉は文藝春秋4月号に掲載されたものです。

「落としましたよ」
 この詩は、今年1月12日に『あるいは佐々木ユキ』が公開され、14日
 は交通機関マヒの大雪、16日はアルジェリアで日本人が人質になり殺
 される事件の起こった日、という時間のなかで書いた作品とのこと。

全部で16篇。言葉がまるで音楽のように響いてきた福間健二ポエトリーワールドは、ちょうど1時間で終わりました。人の声は力を持っていますね。映画館の暗闇が、知らない異空間になってしまっていました!

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大きな拍手で「目ざめる」と、志尾支配人が登場しました。
「シネマテークたかさき初めての朗読会、すばらしかったです。せっかくなので、客席から質問なり感想なりあったらぜひ」と。
二人の女性から『ユキ』についての質問が出ました(さすが高崎!)。
福間監督の、少々脱線気味の答を聞いているうちに、佐々木ユキがただのひとりの女の子ではなく、だれもの心のなかにいる存在だと感じられてきました。

さて、映画を見てくださった皆さん、映画から朗読まで長い時間おつきあいくださった皆さん、ほんとうにありがとうございました。
シネマテークたかさきの初日は、濃い中身の充実した時間になったと確信しています。
これを作り出してくださったスタッフのみなさんに心から感謝します。
ほんとうにありがとうございました。
また、撮影スタッフのお二人、お疲れさまでした。

上映は24日金曜日までつづきます。
『あるいは佐々木ユキ』の体験を面白かったと思われた方は、ぜひまわりの方に薦めてくださいね。どうぞよろしく!


宣伝スタッフ カツ丼娘
 





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