あるいは佐々木ユキ 公式blog

A Fairy Tale
福間健二監督作品  2013年/HD/カラー/79分

2013年01月

1月29日火曜日。今夜は、ついに主演の小原早織さん登場です!
小原さんは「コハラ」さんと読みます。「小原」さんの名字は読み方が何通りかあって、よく混同されるけど、コハラ・サオリですので、あらためてよろしくお願いします。

小原早織さんの人気は、福間監督の前作『わたしたちの夏』のサキちゃんでくすぶっていたものが、『あるいは佐々木ユキ』で勢いを増して開花している様相です。ツイートに投稿された感想で、「超絶かわいい」や「その目にクギづけ」「とにかく小原早織」などなどなど、もう止まない早織ちゃん熱が広がっています! というわけで、盛況な今夜は男性のお客様が多いですねえ。

壇上にあがった小原さんと福間監督。
あれ、その間のテーブルには、なんとブタくんたち! ユキが「子どものころから一緒だったんだ」と言うブタくん3匹です。ちなみに、あの喋るぶー太は小原さんのもので、あとの2匹のぶー子とぶうやんは福間監督のものです。福間監督は、モノも景色も身近にあるものを使うと言います。小原早織さんも、じつは大学で福間先生の教え子。これ、身近って言うんですか?

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「『あるいは佐々木ユキ』の編集に入る前に、ポルトガルを旅行したんだけど、ある村で出会ったジプシーの少年、彼の目に惹きつけられた。その目はチャーミングだけど、ぎりぎりのところで生きている。この目は小原早織の目だ!」。
福間監督は、そこから『あるいは佐々木ユキ』の編集のポイントが見えてきたと言います。
そして『あるいは佐々木ユキ』をみて、どうだった? と小原さんに尋ねます。
「撮ってるときは、まったくどうなるかわからなかった。出来上がって驚きがまずあって、自分が客観的に見えなかったですね。詩や音楽を浴びる感じでした。好きなシーンはまず、監督の詩の朗読が入って音楽があって、砂丘のところ、『わたしは時をかける少女だ』というところです」。
福間監督「あそこは唯一写真を使ってるんだけど、あれは小原さんがフランス留学中に撮った写真を使ったんだよね。貢献してもらってるんです」。
「ボルドーの有名な観光地の砂丘なんですけど、あの影はわたしなんです」と小原さん。

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さらに好きなシーンについて「ごはんと明太子を食べるところ。あれ、お箸が落ちたのでどうしようかと思ったんですけど、まあそれに付いてる米粒食べちゃいましたね」と小原さんは言います。
「だから1回しか撮れなかった。自然に出てきたものだからそれを使おうと」と福間監督。
「あと、千春さん登場のシーンも好きですね」。
「あれは、立川でパリに見えるかもしれない場所、を探したんだよね」と福間監督。
「もうちょっと引きで撮ると、もろ立川ですよね」の小原さんのコメントに、場内には笑いが!

小原さんは監督に尋ねます。
「ホンを読んでもよくわからないし、撮影のときもどういう話になるのかぜんぜんわからなかった。構成や組み合わせは、どの段階でどんなふうに作っているんですか?」
「どんなふうにもできるように、映画自体を何通りにでもなるように、撮ってるんだよね。人間はどこかで、おとぎ話か物語の主人公なんだと思う。だから、いろんな可能性をもたせて撮るということかな」と福間監督。
それに間髪入れずに小原さんは鋭く質問。
「じゃあ、台本しっかり書いてといわれたらどうするんですか?」
「きちっとした台本書くと、お金がかかりそうだしね」
これには場内爆笑です。

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「観た人は気づかないかもしれないけど、アトリエの前の亮平さんと二人のシーンで、影がどんどん寄ってきてるの、わたし好きなんです」と小原さん。
「あれは影を撮ったんだよ」
「えっ、ほんとですか?!」
「カメラの一博さんが、あの構図をつかまえてくれたところで、気づいたんだけどね」と福間監督。
こういう裏話は、主演女優と監督からしか聞けないことですよね!

そんな二人の話は尽きませんが、そろそろ時間です。
福間監督は言います。
「小原早織は、ほんとうに力のある人で、『ユキ』は彼女の60%、でもそれでOK。100%やりましたのしんどさは、ちょっとね」
「でも、60%のわたしの感じを使える映画は、なかなかないのではないかなあ……。映画ひとすじでやっていける人いるけど、わたしにはできないかなあと」と小原さん。
小原さんはつい先日、新文芸坐の特集で、若尾文子さんのトークを見たとのこと。
「小さくて細くて、の80歳の若尾文子さんだけど、シャキッとしてるんですよね。自分の作品はあまり見てなくて、細かいシーンについて言われてもほとんどおぼえてない。自分の作品は見たくないみたいな……。若尾さんもああ言ってるんだから、わたしも見たくなくてもいいかな……」と場内を笑わせました。

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「あと3日で上映は終わります。冬の映画は寒さとの闘いでもあって、なかなかきびしかったけど、皆さん、今日はほんとうによく来てくださいました!」と福間監督は客席にお礼を言いました。
小原さん「わたし、ラムネ菓子を明日から配りましょうか」。
「あれ! 言ってなかったっけ。きのうから皆さんに渡してるんだよ」と福間監督。
「あれーー、知らなかった!」
小原さんの天然の笑顔は、ちょっと最近では得がたい「天使」のそれだと、つくづく思いますね。この人のこれからの人生、見つめていきたいです。

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というわけで、「ユキ」ちゃんから直接ではありませんが、ユキちゃんシンボルのラムネ菓子、受付で皆さんにお渡ししてます!

ポレポレ東中野での『あるいは佐々木ユキ』は2月1日金曜日までです。
31日木曜日の21時の回は、先日の大好評を受けて、〈福間健二の詩朗読にみちびかれて『あるいは佐々木ユキ』を体験する〉をふたたび行ないます。この稀有な体験をどうぞ味わってください。
星のまたたく冬の夜、妖精たちが東中野で待っています。


宣伝スタッフ:ぶー子
写真撮影:加瀬修一




1月27日。ポレポレ東中野での『あるいは佐々木ユキ』上映は、最後の日曜日を迎えました。今夜のイベントは、上映の前に福間健二監督の詩朗読をしてからその余韻のままに上映に入るという初めての試みです。
日曜日で、おまけに夜半から雪になるという予報にもかかわらず、たくさんの方がいらしてくださいました。

21時ちょうど、福間監督はかなり緊張気味に、ほの暗い壇上に立ちました。
場内の耳は、いまにも発せられそうな声に集中しています。

  今日も、川べりで/ささやく声をきいた
  「きみはまちがっている」

福間健二が、これまでに何度も朗読してきた「むこうみず」です。
この詩の最後のフレーズ(あちこちで引用されている名句?)、

  まちがっている
  でも、ものすごくまちがっているわけじゃないだろう

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ここまで読み終えてから、ひとこと挨拶があり、つづけて5篇の詩を読みました。
「トラブル」「青い家」「いま」「みずうみ」「光る斧」。

言葉は音となり、浮遊しながら、場内のすみずみに、わたしたちの身体に、じんわりと浸透していきます。耳がとぎすまされ、音としての言葉が、からっぽになった心にうっすらと積もっていきます。まるで夢をみているような心地よさがやってきます。

そして最後に「もうすこし」が読まれました。
『あるいは佐々木ユキ』のメインコピーのフレーズ
  
  もうすこし歩いて/もうすこしへんになってみる

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拍手もそこそこに、福間監督がするりと舞台をおりて、余韻のただよう暗い場内の席に着くやいなや、上映が始まりました。
冒頭の文月悠光さんのシーンから、色も音も匂いも空気もちがって感じられたのは、わたしだけではなかったでしょう。
いやー、なんともいえない心地よさです。
『あるいは佐々木ユキ』が「感じる映画」であることを、より鮮明に確認できる上映だったと思います。

声から映像へ。耳から目へ。
言葉=音がみちびく『あるいは佐々木ユキ』。
言葉は観念を離れ、音楽のようにこの映画を包み込む。
これはあたらしい映画の体験です。

ロビーに出てこられたお客様の顔には、満ちたりた笑みが見え隠れして、監督に「すばらしかった!」の声が寄せられました。

さて、もっと多くの人にこの体験をしてもらいたいと、スタッフ全員と監督の気持ちがすぐさま一致して、もう一度行なうことを決めました。

1月31日木曜日、上映最終日前日、21時の回です。
21時から15分間の朗読につづいて、上映を行ないます。
みなさん、どうぞこの稀有な映画体験を!
お待ちしています!

宣伝スタッフ ぶー子
写真撮影:松島史秋




昨夜1月27日の、福間健二監督による詩朗読の圧倒的好評を受けて、
再び朗読を行なうことを決定しました!

1月31日(木) 21時の回上映前 21:00~

声によって開かれた耳にしみこんでくる『あるいは佐々木ユキ』の音と映像を
ぜひ堪能してください!

ポレポレ東中野での『あるいは佐々木ユキ』の上映は、2月1日(金)までです。
どうぞお見逃しなきようご来場ください。




——批判/応答、そして対話

今夜のゲストは、映画監督の山戸結希さん。山戸監督は現在、上智大学の4年生で、昨年発表された『あの娘が海辺で踊ってる』が高い評価を受けています。
福間監督は、「キネマ旬報」に山戸さんが寄稿した『あるいは佐々木ユキ』の批評に感銘し、また山戸監督の作品からも強くインスパイアされていたところ、ついに今夜二人の対談が実現しました。福間監督が、山戸監督の批評に惹かれたのは、それが単なる賛辞や非難としてではなく、率直にして聡明な直観につらぬかれた確かな批判として書かれていたからです。福間監督は「こういう批評に出会うために今まで映画を撮ってきたんです」と言い切ります。すると山戸監督は監督と映画を見終わったばかりの観客の目の前で、物柔らかな口ぶりながらきっぱりと、『あるいは佐々木ユキ』を改めて批評しました。
 
「わたしはこの映画に違和感を感じたんです。これは映画ではなく詩だなと。それは詩が出てくる映画という意味ではないです。ここでは言葉の永遠性に、現実の時間や演じている人々の実際が飲み込まれてしまっている。スクリーンから奥は断絶されていて、これから10年経ったとしても、そこは無時間の世界なんじゃないかと思うんです。つまり、それがわたしにとっては『詩』だということなんです。永遠性を孕んで留めておくもの、それって言葉だな、と。だからわたしは『あるいは佐々木ユキ』にそれほどの炸裂をみませんでした」。

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福間監督は、「僕は映画を撮るように詩を書いてきて、詩を書くように映画を撮っているつもりだけど、詩のような映画を撮ろうとか、そういう難しいことは実はあんまり考えていない。ただ、前の2作がメロドラマ的な物語をいかに非メロドラマ的に描くかということに挑戦していたのに対して、今回の作品にはメロドラマ的な要素というものがないんです。ユキにはとりたてて困ったことなんかない。それでも一本の映画になるということなんだよね」と答えます。
これに対して山戸監督はさらに「わたしにとっては、メロドラマというのは地獄の話のことなんです。つまり個人の中にある地獄をどう描くかということですね。『わたしたちの夏』はそうなんですけど、『あるいは佐々木ユキ』というのは天国の映画なんです。ある永遠性をもっている。それが言葉の世界だという気がするんです」。
福間監督は、「うーん」と少し考え込んでしまいました。

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その後も山戸監督は鋭い質問を繰り返しますが、福間監督を最も戸惑わせたのは、「これまで詩作をされてきて言葉の世界にいらしたのに、なぜ映画を撮っているのですか」という質問でした。
「山戸監督にだけはそういうことは言われないと思ってたのに……」と少しショック気味の福間監督は、「僕は詩のような小説があったり、詩のような演劇があったり、詩のような映画があっていいと思うんです。もっと多様でいいって考えです。僕にとっては、カメラがありさえすれば、そこに映されたものはすべて映画なんです。だって本当はそれだけの意味なんですよ、”Moving Picture”っていうのは」と答えます。
山戸監督は、若者の特権ともいうべき純粋さとかたくなさで「でも『映画とは何か』ということを考えませんか?」と福間監督にせまります。福間監督は、「それはもちろん考えずにはいられないんだけど……」。

こうして今夜のトークショーはさながら、「永遠の映画小僧」と「恐るべきこども」の対決の様相を呈していきました。しかし、会場の観客のみなさんはこの白熱する議論をあたたかく最後までみまもって下さいました。

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山戸結希監督――若年にしてこの炯眼は、頼もしいというべきか、末恐ろしいというべきか。いずれにしても映画の作り手としてだけでなく、良き批判者としても今後のさらなる飛躍を切に願います。

山戸監督の話題作『あの娘が海辺で踊ってる』は、2月16日(土)から21日(木)まで、他2作(『Her Res〜出会いをめぐる三分の試問3本立て』と『映画バンもん!〜あなたの瞬きはパヒパヒの彼方へ〜』)と併せて、オーディトリウム渋谷で連日21:10からレイトショー公開されます。詳しくは、劇場HP(http://a-shibuya.jp/archives/4822)まで。この機会に是非、足をお運びください。

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レポート:河野まりえ
撮影:加瀬修一


『あるいは佐々木ユキ』の上映は2月1日(金)までです。
追加のイベントも2回あります。

1月27日(日)21時の回は、福間監督の朗読が映画へと誘います。1回限りのスペシャルイベント。監督自身の声と言葉から入っていく『あるいは佐々木ユキ』。またちがう表情がきっと見えてくるはず。ぜひとも立ち会ってください!
そして1月29日(火)21時の回上映後は、主演の小原早織さんと福間監督のトークです。とんでもない撮影エピソードが出てくること必至。のがせませんね!
みなさん、どうぞポレポレ東中野にいらしてください。




1月24日木曜日。ようやく雪がとけてきましたね。
今夜のトークゲストは、いま、文筆に女優にイベントに大活躍の森下くるみさんです。
福間監督の前作『わたしたちの夏』のアップリンクでの再映のときに、念願のゲストとして初めて登場していただいて以来の再会です。今日も着物姿のくるみさん。淡い朱色がとても似合っていて、まぶしいほどにうつくしいです!
上映後、福間監督とくるみさんが登壇。監督は「ぼくが一番会いたかった人」とくるみさんを紹介して、二人のトークは始まりました。

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福間監督が「スクリーンで観てもらうのは初めてだと思うけど、どうでしたか」と、くるみさんに感想を求めます。
「『わたしたちの夏』とは毛色がちがいますね。『あるいは佐々木ユキ』はかわいい映画というか、画面のいろんなものに目がいくんですよね」。
福間監督「冬の光の中の、冬の妖精たちを撮ったということになるかな」。
くるみさん「A Fairy Taleですよね。妖精はティンカーベルのように羽のはえた姿しか空想してなかったけど……。童話やファンタジーというようにカテゴライズしたくないですが、人間として異次元の人が映っているようなところ、たとえば気功の人とユキのやりとりとか、よかったですね」。
福間監督は、『あるいは佐々木ユキ』の大まかな筋立ては、キャスト・スタッフの学生たちといろんな意見を交わしながら出来上がっていったことを説明しました。
するとくるみさんは「ディスカッションのなかでストーリーが決まっていって、それが演出で変わってくるんですか?」と質問。
福間監督「ゴールは見えてなくて、たとえばユキが明太子を食べるところなどは、小原早織さんの食べ方そのものが出てるわけだけど、それを直したりはしないわけです」
くるみさん「そうですよね。決められたことをやるだけだと、印象が薄いですね」。

このあたりから、映画の細部へのくるみさんの洞察が興味深く展開されていきます。
「二人のカルタのシーンは、カルタの素朴な言葉を聞く感じになって、あらためてカルタってかわいい遊びなんだなと思った。あのワンカットは、ユキふたりの戸惑いが見えてきて、すごく楽しかった。モノレールのシーンも印象的ですが、移動するものに意味があるのですか?」と質問。
「モノレールの動きは、直線ではなく蛇行するのが面白い。それと高い位置にあるから景色がちがう。すると時空を超える感じが出てきて、千石先生の回想のところや最後の景色なんか、過去や未来を感じさせてしまうような……。編集で画をずっと見てると、そうなってきて、それが観る人にも伝わるのではないかと」と福間監督。
「高い位置から見ると、ふだんは感じてないけど、空の光が神々しいですね」とくるみさん。

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さらに、くるみさん。
「赤い部屋の中の壁にレコードジャケットが貼られているなかに、キリング・ジョークのジャケットがあって! わたし大好きなんです!」。
「あれはぼくの好きなLPのジャケットを持ってきて貼ったんだけど、えー!!くるみさんも好きなんだ!」と福間監督大喜び。
もっと、くるみさんです!
「ユキが寝間着にしているTシャツの柄、子どもが銃をかまえてるんだけど、これは反抗精神?」
エッ、こんなこと訊かれたことない! という顔の福間監督、客席にいるユキ役の小原早織さんに尋ねました。
「ただのTシャツでーす」の小原さんの返事には客席から笑いが出ました。

そうなんですねえ。衣裳も美術もいないような福間映画の小道具や空間は、なにか意味があるように見えても、じつは監督が計算してのことではなかったりする。スタッフやキャストが無意識のうちに選んだものが、ちゃんと映画のなかの役割を果たしてくれている。すこし飛躍があるかもしれないけれど、そんなふうにも思えてきます。
「空間の使い方は映画をつくる醍醐味ですよね」とくるみさんが言うと、「ほんとうにスタッフ・キャストに助けられてるんですよね」と福間監督は感慨深そうに言いました。

そこですかさず福間監督、爆弾発言です。
「森下さんに僕の映画に出てもらいたいけど、どうですか?」
「躊躇なく、やりたいとお返事します。でも……福間さんの映画の女性は、自分のあり方が、しゃべり方、立ち姿が出てしまうコワさがあるから……」
ここぞとばかりに福間監督は押します。 
「森下さんが入ってくれれば、それで変わる! 監督の世界が変わってくる! 自主映画を突き破る何かが生まれてくる! さっきの言葉、うれしくて……」。
監督、くるみさんの後半の戸惑いを聞いてませんね!
「うれしくて眠れないかも」とほとんどうれし泣きの様相です。

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「ところで、くるみさんの楽しい一日の過ごし方は?」と福間監督はニコニコ顔でたずねました。
「映画を観て、すごくよかったり、驚いたりすると、いい一日だったなあって思いますね。ほかには、ごはん作ることかな。人と会ってお酒飲めたらさらにいい」。
「映画が好きなんだなあ。僕は映画が好きな人とやっていきたいんだよねえ」とまだつづく(?)福間監督のくるみさんへのオファーです。
どうやらそれは、お酒の席に移ってからもつづいた? きっとそうですよね。
福間監督作品のなかのくるみさん。もうドキドキしますね。早く見せてください!

トークの終わりに福間監督は「まだまだ寒い日が続くけど、今日観てくれた人は、もう一度、そして人を誘って『ユキ』をよろしくお願いします!」と頭を下げました。
森下くるみさん、ほんとうにありがとうございました!

今夜は、前田弘二監督作品になくてはならない役者の宇野祥平さんがいらしてくださっていて、打ち上げは終電ぎりぎりまで盛り上がりました!

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『あるいは佐々木ユキ』の上映は2月1日(金)までです。
追加のイベントも2回あります。

1月27日(日)21時の回は、福間監督の朗読が映画へと誘います。1回限りのスペシャルイベント。監督自身の声と言葉から入っていく『あるいは佐々木ユキ』。またちがう表情がきっと見えてくるはず。ぜひとも立ち会ってください!

そして1月29日(火)21時の回上映後は、主演の小原早織さんと福間監督のトークです。とんでもない撮影エピソードが出てくること必至。のがせませんね!
みなさん、どうぞポレポレ東中野にいらしてください。


宣伝スタッフ:ぶー子
写真撮影:酒井豪




1月27日(日) ポエトリーリーディング 
  21時の回上映前 福間健二監督

1月29日(火) ゲストトーク
  21時の回上映後 小原早織さん(本作主演)
           福間健二監督



1月20日(日)、今夜のトークゲストは詩人の文月悠光(ふづき・ゆみ)さん。『あるいは佐々木ユキ』に、本人自身の役で出演してくださっています。
このトーク、ほんとうは14日の成人の日を予定していたのですが、あの大雪で急きょ今日に延期。ちょっと心配していましたが、変更の情報もしっかり伝わったようで、日曜日の夜にもかかわらず、文月さんのファンをはじめたくさんのお客様がいらしてくださいました。

文月さんはいま21歳。子どものころから詩人になることを志し、中学時代から詩作と朗読活動をつづけてきました。高校3年生の2009年に出版した第一詩集『適切な世界の適切ならざる私』が、中原中也賞と丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞して大きな注目をあび、都内の大学在学中のいまも、執筆と朗読活動に大活躍しています。

トークショー文月悠光-1

上映の余韻を残した、まだほの暗い壇上に文月さんが登場。劇中、冬の光をあびた公園で、聴衆を前に朗読したあの「横断歩道」の朗読です。劇中のそれとは、声も語り方も姿もずいぶんちがうように感じます。撮影から2年、それは、少女から大人になっていく文月さんの時間だったのでしょうか。
「保険おりるな。/だから/おりてこいよ、ことば。」
耳を澄ませて聴き入った場内に大拍手が起きて、福間監督が登場しました。

福間監督「すごくよかったね。半分は昔をなぞっているようでもあるけど、ずいぶん読み方が違う。声が変わったのかな」。
文月さん「撮影のときは風邪をひいていたので、声が出るかどうか心配でした」。
文月さんはこの映画を試写で一度見ていますが、劇場では初めて。福間監督がその印象をたずねました。
「撮影のとき、台本を渡されていたけれど、どんな映画なのかちっともわからなかった。試写で見せられて、自分が冒頭に登場していて、びっくりした」と文月さん。そして「そもそも、なんでわたしを出そうと思ったんですか?」と質問。
「2010年秋に、僕の詩のワークショップにゲストで来てもらったよね。正直に言うと、それまでは『天才少女』のイメージでいたんだけど、実際の文月さんは、はっきりくっきり出ているものがある人で、映画に出てもらいたいと思った。『小原早織+文月悠光』の映画というイメージがわいた」という福間監督です。

その後、撮影までの短い間にメールでのやりとりがあったのですが、「人魚ひめ」についての経緯を、ふたりは思い出しながら話します。
おとぎ話で好きなのはと問われて、「人魚ひめ」と答えたけれども、台本にあった「妖精だったら、水の精がいい」のセリフに結びつけて答えたわけではないんです、と文月さん。それに対して福間監督は、もともと出てきていた「人魚ひめ」のモチーフが文月さんとつながったので、それでいこうと決めた、と。
つまり、文月さんが「人魚ひめ」について語るところはドキュメンタリーで、ユキと話す「水の精」のところは、芝居をしているということなのです。
「こんなにやらされるのかって思った?」と福間監督。
「全体像が見えていなかったから、こんなものなのかなと。人のセリフの中に、詩がポンと出てくるなんて、不思議な映画です」

トークショー文月悠光-3

「横断歩道」を朗読してもらうことに決まったのは、文月さんの出演が決まって、主役の小原早織さんに『適切な世界の適切ならざる私』を読んでもらったら、「横断歩道」が一番好きだったことからきています。このことを福間監督は今日のツイートでつぶやいたのですが、それを読んで文月さんはとてもうれしかったそうです。

福間監督は、撮影から映画の公開までの2年の間に成人式を迎えた文月さんに、20歳の女の子って、どうなんだろうと尋ねます。
「人それぞれだけども、20歳から21歳よりも、19歳から20歳へは、ひとつ壁を越えるという感覚かな。十代最後の日に何をやるか、なんて友だちとドラマチックなことを考えたけど、実際は淡々とすごした」と文月さん。
それを聞いて福間監督は「文月さんの中にくっきりとある、人とちがう自分、人と同じ自分。それをインタヴューに撮ろうと思ったのを思い出した」。
「自分のなかでは、短いスパンの自分の持続というか、いくつかの点と壁を越えて、乗ってる電車は同じかもしれないけれど、通り抜けてきた先にいつかは大きな乗り換えがあるかもしれない。どこかで窓を開いて飛び降りるかな」と文月さん。さらにつづけて「この映画を見て、同世代の女の子より、なんかなつかしい感じを持った。まわりはみんな淡々としているけど、この映画は揺らぎがくっきり出ていて、ユキは自分探しをしている印象です」と。

さて時間も残り少なくなって、話題は「原稿用詩タイツ」です!
タイツブランドtokone から発売されている、文月さんの詩の言葉が原稿用紙のマス目に入った模様のタイツ! もちろん今夜の文月さん、身につけての登壇です。
「詩集は、詩がパッケージされているけど、タイツだと外にむかって足に乗っかっているから、詩をそれくらいの感じで読んでもらっていいのではと……」。
壇上だと見えませんが、あとでロビーでしっかり見せていただきました!

トークショー文月悠光-6

締めくくりに文月さんは言いました。「映画のなかのユキは、どれがユキでもいい。観る人がユキのみに感情移入するのではなく、それぞれのなかにユキがいる、そう思います」。
そして福間監督は、「今日の文月さんを見ていて、映画の文月さん、それは残ると思った。19歳の文月さんを撮りました。僕としては「やった!」という気持ちです」。

『あるいは佐々木ユキ』は2月1日まで上映が続きます。ゲストトークもまだまだあります。一度観た方も、まだ観ていない方も、どうぞ「ユキ」の中の自分に出会いにポレポレに足をお運びください。

トークショー文月悠光-8



宣伝スタッフ:ぶー子
写真撮影:松島史秋




1月19日(土)、今夜は若いお客さんがたくさんいらっしゃっています。というのも、今夜のトークゲストは作家・コラムニストのせきしろさんです!

せきしろさんは、作家・コラムニストとして多くの著書を出版されており、『去年ルノアールで』(2006)、『不戦勝』(2008)、『妄想道』(2009)、『逡巡』(2012)、『学校の音を聞くと懐かしくて死にたくなる』(2012)などがあります。
また、お笑いコンビのピース又吉直樹さんとの共著『カキフライが無かったなら来なかった』(2009)、『まさかジープで来るとは』(2010)や、バッファロー五郎Aさんとの共著『煩悩短編小説』(2011)など数々の共著も執筆されています。
昨年の福間監督の詩のイベントにゲストで来ていただいたのがきっかけで、せきしろさんには本日お越しいただきました。

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まずせきしろさんから福間監督に質問です。
「見たばっかりで映画の感想言うのはすごく難しいんですけど、聞きたかったのが、私の名前は佐々木ユキ、というせりふを3回言う意味って、なにかあるんですか?」
すると福間監督は、「変わったことをやるとか、うまくいかないかもしれないな、ということをやるときに、3回やったら狙ってやっているように思われるから、3回押すんですね」と解説。
「多分あれ5回いくと笑うじゃないですか、で、8回くらいいくと笑わなくなって、30回くらいでもう一回笑うじゃないですか。だから難しいじゃないですか、その加減とか。だから意図してるのかなって」とせきしろさんが言うと、会場からは笑いが。
またせきしろさんはこんな感想も。
「電車の音とかは耳に残るんですけど、ほぼ静かな感じで、僕が見た感想だと、午前中の10時半ぐらいの感覚がずっと続いていて、家に誰もいなくて自分ひとりの、学校を休んだときの感じがすごくよみがえるんですよね」
福間監督は、「照明なしでやってるんですけど、冬のいい光って午前中の光なんですよね」と「午前10時半の感覚」という指摘にうなずいていました。

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続いて子供の下校シーンの話題へ。
福間監督は、子供たちの肖像権の問題で、映画に収めることの難しさを語りながら、でもやっぱりいいんだよね、と。子供の下校シーンはいくらでも見ていられると話すと、せきしろさんも、5時間は見ていられます、ということ。
それをながめていると、色々なドラマもあるというお話でした。

福間監督は、失明する前に何が見たいか、と考えて、若い女の子が出てくる映画の決定版を撮ろうと思ったそうです。それでアイドル映画を撮ろうと思い、女の子へのオマージュ映画という気持ちで『あるいは佐々木ユキ』を撮ったと話しました。
せきしろさんはアイドルにも詳しいので、福間監督はアイドルや女の子についてせきしろさんを質問攻めに。せきしろさんはアイドルグループのスマイレージや東京女子流、女優の多部未華子さんが好きなのだそうです。

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最後にお二人の、作品を作っていくことや仕事への姿勢について。
福間監督が「もし『あるいは佐々木ユキ』とせきしろさんの作品とつながる要素があるとすれば、作品を成立させるのを、きちっと作っていくのではなくて、それ以外の方法を考えてみようというのがあると思うんですけど、どうですか? 表現をきちっきちっと積み重ねて、これが日本の文化の中で大切です、みたいに持ってこられると、やめてくださいって思っちゃうんですよね」と言うと、せきしろさんは、「そうですね、きちっと作ろうとは意識していないですね」とのお答。
そして、福間監督は、せきしろさんの作品にはギャグがあって、自分もギャグをやりたくて、映画の中に笑ってほしいところを入れているんだけれども、観客は笑ってくれない、どうしたらよいのか? とせきしろさんに尋ねたところ、映画の中の面白かったシーンをせきしろさんは話してくれました。
「僕はフランス語の台詞とか面白かったですよ。あれはすっごい笑いました。もうだめでした。何言ってるのか全然わかんないし。あれも3回でしたね。あとはやっぱり自己紹介は面白いですね。ふたりのカルタもすごいルールでしたね、成立するんだなって」。
福間監督「普通だったらカルタの絵柄を見せたり、カット割りをして作っていくんだけど、そういうこともしないし。せきしろさんはどうですか? ご自身の作品を書く中で、普通はこうだけど自分はこうじゃない、みたいなのはありますか?」
せきしろさん「ぼく、ほんと何も考えてないんですよ。11月から原稿全然書いてないんですよね」。
福間監督「じゃあ、主に普段何をしているんですか?」と直球な質問。
せきしろさん「ぼくは、ほぼ布団の中にいるんですよね。天井の模様を見てますね、阿弥陀模様の……。ほんとにやばいんですけど。寝るのが好きなんですね」
福間監督「ほおー! いいですねー! それは映画に撮ったら面白いですね」と興奮。
せきしろさんの、意気込みすぎないまったりとした面白いお話に、客席からは何度も笑いが起こりました!
みなさんも書店で、せきしろさんの著書、ぜひ探してみてください。

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『あるいは佐々木ユキ』2週目に突入しました。
まだ観ていないみなさんも、劇場に是非いらしてください。
トークの最後に福間監督は、「2回来てくれたら感激して抱きしめます」ということですので、すでにご覧になった方も、是非ともまたよろしくお願いします。

宣伝スタッフ:ぶー太
写真撮影:加瀬修一/ぶー子




1月18日金曜日、ちょうど公開から1週間がたちました。
今日のトークゲストは前田弘二監督です。
前田監督は、ひろしま映像展2005において、『女』、『鵜野』でグランプリを獲得、2006年には第10回水戸短編映像祭において、『古奈子は男選びが悪い』がグランプリを受賞。そして記憶に新しい2011年には、吉高由里子主演の『婚前特急』を監督し、大ヒットさせました。本作にて、第33回ヨコハマ映画祭新人監督賞、第21回日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞、第3回TAMA映画祭最優秀新進監督賞の三冠を受賞。今年に入ってからは、監督作であるテレビドラマ『太陽は待ってくれない』が劇場公開、そして現在、BeeTVにてドラマ『ラブ・スウィング〜色々な愛のかたち〜』を配信中。大活躍中の若手監督です。

福間監督も、前田監督の作品にはいつも刺激を受けている、とのこと。
福間監督の前作、『わたしたちの夏』の公開時にも、トークゲストとして登壇してくれました。
今回の『あるいは佐々木ユキ』は、試写で観ていただいた上に、ポレポレでは2日前と今日の二度目(つまり三度目!)の鑑賞後、福間監督とのトークにのぞんでいただきました。

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前田監督はまず、「今日ここで、どうしたらこの映画を伝えられるのかな、と思ったんですが、出てきた僕の言葉が陳腐になるぐらいものすごい映画だな、と思いました。ずっと楽しいんですよね、すごくドキドキもして、快感も得られました。何に感動しているのかわからないくらいの強烈さがありますね」と映画の感想を述べました。
それに対して福間監督は、「自分でもこういう映画だって言えないんだけども、わかってしまったら表現する意味はあるのかどうか、わからないから表現するんだ、というのがいいんじゃないかな。良い画があって、良い音があって、真ん中に女の子がいて、それを取り囲む人物がいて、全体として世界があればいいのかな、と。編集には時間がかかっていて、その間わからなくなることもあったのだけど、すっきりしたとこに行けたかな」との答。
編集や演出の話から、映画の作り始めの話へ。
「僕の作り方とはまったく違うので、どうやって作り始めたのかが知りたいです」と前田監督。

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福間監督は、「これは、前作にも出演していた小原早織さんでもう一本やろうかというところから彼女と話をしながら、彼女の持っているものも引き出していったんですね。はじめは『スマイル』というタイトルで、その後『佐々木ユキ主義』だったんだけども、主義と微笑みだけでは生きられないんじゃないかな、となって最終的に『あるいは佐々木ユキ』というタイトルになりました。映画の準備過程が作品に反映されている部分もあるね」と答えていました。

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カメラマンの鈴木一博さんとのエピソード、音響設計の小川武さんとの会話なども交えて、どうやって作品が出来たかを話したところ、前田監督は、
「監督とかカメラマンとかいろんな人の考え方が入っていて、とても豊かだな、と感じましたね」と語り、同時に、映画の中の豊かさがどう作られているかがわからないと話されました。
これに対し福間監督は、この豊かさは、決まりきった一般的に良いと言われるような芝居は使わないこと、スタッフそれぞれが監督とはまた違った考えで映画を思い描いているからではないか、とエピソードを交えての答。

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そして、ふたりの監督のこれからについて。
前田監督は「この『あるいは佐々木ユキ』で、インタビューや詩をこうやって取り入れる自由さなんかも感じて、もっといろんな可能性を追求して、映画を見る物差しを広げていきたい。撮り方も自由で、映画でしか味わえないものがあればいい、という気持ちでやりたい」。
すると福間監督も「そうだよね。これは映画じゃないと言われたら、じゃあ映画じゃなくていいと思うよね。一本の映画の中でいろんなことをしていいのに、パターンが繰り返されてるだけではね……。試せることを試していこうと希望を持っていきたいですね」とこれからの映画製作への姿勢を確かめていました。
歳の差30歳の前田監督と福間監督ですが、目指すものには通じるものがあるようです。
大活躍中の前田監督のこれから、とても楽しみですね。
そして、早くもふたりの次回作が待ちどおしいです。

宣伝スタッフ:ぶー太
写真撮影:加瀬修一




『あるいは佐々木ユキ』ポレポレ東中野での公開が間近に迫りました。
トークゲストもどんどん決まってきています。
今後も、決まり次第ひきつづいてお知らせしていきます。
どうぞお楽しみに!

*上映
2013年1月12日(土)〜 
 11:00〜  21:00〜 (一日2回上映)

*    イベント

1月12日(土) 初日舞台挨拶
   11時の回上映後 小原早織(主演)、福間健二監督
   21時の回上映前 小原早織(主演)、吉野晶、千石英世、川野真樹子ほか出演者、
            福間健二監督

1月14日(月・成人の日) ゲストトーク
   21時の回上映後 文月悠光さん(詩人・本作出演)
            福間健二監督
*大雪のため中止となり、20日に変更になりました!  

1月18日(金) ゲストトーク
   21時の回上映後 前田弘二さん(映画監督)
            福間健二監督

1月19日(土) ゲストトーク 
   21時の回上映後 せきしろさん(作家・コラムニスト)
            福間健二監督

1月20日(日) ゲストトーク
   21時の回上映後 文月悠光さん(詩人・本作出演)
            福間健二監督

1月24日(木) ゲストトーク 
   21時の回上映後 森下くるみさん(女優・文筆家)
            福間健二監督

1月25日(金) ゲストトーク
   21時の回上映後 山戸結希さん(映画監督)
            福間健二監督



     
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当日料金:一般¥1500 学生¥1300 シニア¥1000
*    リピーター割引:半券ご提示で、2回目から¥1000に。
*    ポエトリー割引:どんな詩集でもご提示で、一般のお客様も学生料金に。
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ポレポレ東中野
 JR東中野駅西口改札北側出口より徒歩1分 
 地下鉄大江戸線東中野駅A1出口より徒歩1分
 TEL 03-3371-0088    http://www.mmjp.or.jp/pole2/



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