あるいは佐々木ユキ 公式blog

A Fairy Tale
福間健二監督作品  2013年/HD/カラー/79分

表紙15

1月24日木曜日。ようやく雪がとけてきましたね。
今夜のトークゲストは、いま、文筆に女優にイベントに大活躍の森下くるみさんです。
福間監督の前作『わたしたちの夏』のアップリンクでの再映のときに、念願のゲストとして初めて登場していただいて以来の再会です。今日も着物姿のくるみさん。淡い朱色がとても似合っていて、まぶしいほどにうつくしいです!
上映後、福間監督とくるみさんが登壇。監督は「ぼくが一番会いたかった人」とくるみさんを紹介して、二人のトークは始まりました。

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福間監督が「スクリーンで観てもらうのは初めてだと思うけど、どうでしたか」と、くるみさんに感想を求めます。
「『わたしたちの夏』とは毛色がちがいますね。『あるいは佐々木ユキ』はかわいい映画というか、画面のいろんなものに目がいくんですよね」。
福間監督「冬の光の中の、冬の妖精たちを撮ったということになるかな」。
くるみさん「A Fairy Taleですよね。妖精はティンカーベルのように羽のはえた姿しか空想してなかったけど……。童話やファンタジーというようにカテゴライズしたくないですが、人間として異次元の人が映っているようなところ、たとえば気功の人とユキのやりとりとか、よかったですね」。
福間監督は、『あるいは佐々木ユキ』の大まかな筋立ては、キャスト・スタッフの学生たちといろんな意見を交わしながら出来上がっていったことを説明しました。
するとくるみさんは「ディスカッションのなかでストーリーが決まっていって、それが演出で変わってくるんですか?」と質問。
福間監督「ゴールは見えてなくて、たとえばユキが明太子を食べるところなどは、小原早織さんの食べ方そのものが出てるわけだけど、それを直したりはしないわけです」
くるみさん「そうですよね。決められたことをやるだけだと、印象が薄いですね」。

このあたりから、映画の細部へのくるみさんの洞察が興味深く展開されていきます。
「二人のカルタのシーンは、カルタの素朴な言葉を聞く感じになって、あらためてカルタってかわいい遊びなんだなと思った。あのワンカットは、ユキふたりの戸惑いが見えてきて、すごく楽しかった。モノレールのシーンも印象的ですが、移動するものに意味があるのですか?」と質問。
「モノレールの動きは、直線ではなく蛇行するのが面白い。それと高い位置にあるから景色がちがう。すると時空を超える感じが出てきて、千石先生の回想のところや最後の景色なんか、過去や未来を感じさせてしまうような……。編集で画をずっと見てると、そうなってきて、それが観る人にも伝わるのではないかと」と福間監督。
「高い位置から見ると、ふだんは感じてないけど、空の光が神々しいですね」とくるみさん。

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さらに、くるみさん。
「赤い部屋の中の壁にレコードジャケットが貼られているなかに、キリング・ジョークのジャケットがあって! わたし大好きなんです!」。
「あれはぼくの好きなLPのジャケットを持ってきて貼ったんだけど、えー!!くるみさんも好きなんだ!」と福間監督大喜び。
もっと、くるみさんです!
「ユキが寝間着にしているTシャツの柄、子どもが銃をかまえてるんだけど、これは反抗精神?」
エッ、こんなこと訊かれたことない! という顔の福間監督、客席にいるユキ役の小原早織さんに尋ねました。
「ただのTシャツでーす」の小原さんの返事には客席から笑いが出ました。

そうなんですねえ。衣裳も美術もいないような福間映画の小道具や空間は、なにか意味があるように見えても、じつは監督が計算してのことではなかったりする。スタッフやキャストが無意識のうちに選んだものが、ちゃんと映画のなかの役割を果たしてくれている。すこし飛躍があるかもしれないけれど、そんなふうにも思えてきます。
「空間の使い方は映画をつくる醍醐味ですよね」とくるみさんが言うと、「ほんとうにスタッフ・キャストに助けられてるんですよね」と福間監督は感慨深そうに言いました。

そこですかさず福間監督、爆弾発言です。
「森下さんに僕の映画に出てもらいたいけど、どうですか?」
「躊躇なく、やりたいとお返事します。でも……福間さんの映画の女性は、自分のあり方が、しゃべり方、立ち姿が出てしまうコワさがあるから……」
ここぞとばかりに福間監督は押します。 
「森下さんが入ってくれれば、それで変わる! 監督の世界が変わってくる! 自主映画を突き破る何かが生まれてくる! さっきの言葉、うれしくて……」。
監督、くるみさんの後半の戸惑いを聞いてませんね!
「うれしくて眠れないかも」とほとんどうれし泣きの様相です。

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「ところで、くるみさんの楽しい一日の過ごし方は?」と福間監督はニコニコ顔でたずねました。
「映画を観て、すごくよかったり、驚いたりすると、いい一日だったなあって思いますね。ほかには、ごはん作ることかな。人と会ってお酒飲めたらさらにいい」。
「映画が好きなんだなあ。僕は映画が好きな人とやっていきたいんだよねえ」とまだつづく(?)福間監督のくるみさんへのオファーです。
どうやらそれは、お酒の席に移ってからもつづいた? きっとそうですよね。
福間監督作品のなかのくるみさん。もうドキドキしますね。早く見せてください!

トークの終わりに福間監督は「まだまだ寒い日が続くけど、今日観てくれた人は、もう一度、そして人を誘って『ユキ』をよろしくお願いします!」と頭を下げました。
森下くるみさん、ほんとうにありがとうございました!

今夜は、前田弘二監督作品になくてはならない役者の宇野祥平さんがいらしてくださっていて、打ち上げは終電ぎりぎりまで盛り上がりました!

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『あるいは佐々木ユキ』の上映は2月1日(金)までです。
追加のイベントも2回あります。

1月27日(日)21時の回は、福間監督の朗読が映画へと誘います。1回限りのスペシャルイベント。監督自身の声と言葉から入っていく『あるいは佐々木ユキ』。またちがう表情がきっと見えてくるはず。ぜひとも立ち会ってください!

そして1月29日(火)21時の回上映後は、主演の小原早織さんと福間監督のトークです。とんでもない撮影エピソードが出てくること必至。のがせませんね!
みなさん、どうぞポレポレ東中野にいらしてください。


宣伝スタッフ:ぶー子
写真撮影:酒井豪




1月27日(日) ポエトリーリーディング 
  21時の回上映前 福間健二監督

1月29日(火) ゲストトーク
  21時の回上映後 小原早織さん(本作主演)
           福間健二監督



1月20日(日)、今夜のトークゲストは詩人の文月悠光(ふづき・ゆみ)さん。『あるいは佐々木ユキ』に、本人自身の役で出演してくださっています。
このトーク、ほんとうは14日の成人の日を予定していたのですが、あの大雪で急きょ今日に延期。ちょっと心配していましたが、変更の情報もしっかり伝わったようで、日曜日の夜にもかかわらず、文月さんのファンをはじめたくさんのお客様がいらしてくださいました。

文月さんはいま21歳。子どものころから詩人になることを志し、中学時代から詩作と朗読活動をつづけてきました。高校3年生の2009年に出版した第一詩集『適切な世界の適切ならざる私』が、中原中也賞と丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞して大きな注目をあび、都内の大学在学中のいまも、執筆と朗読活動に大活躍しています。

トークショー文月悠光-1

上映の余韻を残した、まだほの暗い壇上に文月さんが登場。劇中、冬の光をあびた公園で、聴衆を前に朗読したあの「横断歩道」の朗読です。劇中のそれとは、声も語り方も姿もずいぶんちがうように感じます。撮影から2年、それは、少女から大人になっていく文月さんの時間だったのでしょうか。
「保険おりるな。/だから/おりてこいよ、ことば。」
耳を澄ませて聴き入った場内に大拍手が起きて、福間監督が登場しました。

福間監督「すごくよかったね。半分は昔をなぞっているようでもあるけど、ずいぶん読み方が違う。声が変わったのかな」。
文月さん「撮影のときは風邪をひいていたので、声が出るかどうか心配でした」。
文月さんはこの映画を試写で一度見ていますが、劇場では初めて。福間監督がその印象をたずねました。
「撮影のとき、台本を渡されていたけれど、どんな映画なのかちっともわからなかった。試写で見せられて、自分が冒頭に登場していて、びっくりした」と文月さん。そして「そもそも、なんでわたしを出そうと思ったんですか?」と質問。
「2010年秋に、僕の詩のワークショップにゲストで来てもらったよね。正直に言うと、それまでは『天才少女』のイメージでいたんだけど、実際の文月さんは、はっきりくっきり出ているものがある人で、映画に出てもらいたいと思った。『小原早織+文月悠光』の映画というイメージがわいた」という福間監督です。

その後、撮影までの短い間にメールでのやりとりがあったのですが、「人魚ひめ」についての経緯を、ふたりは思い出しながら話します。
おとぎ話で好きなのはと問われて、「人魚ひめ」と答えたけれども、台本にあった「妖精だったら、水の精がいい」のセリフに結びつけて答えたわけではないんです、と文月さん。それに対して福間監督は、もともと出てきていた「人魚ひめ」のモチーフが文月さんとつながったので、それでいこうと決めた、と。
つまり、文月さんが「人魚ひめ」について語るところはドキュメンタリーで、ユキと話す「水の精」のところは、芝居をしているということなのです。
「こんなにやらされるのかって思った?」と福間監督。
「全体像が見えていなかったから、こんなものなのかなと。人のセリフの中に、詩がポンと出てくるなんて、不思議な映画です」

トークショー文月悠光-3

「横断歩道」を朗読してもらうことに決まったのは、文月さんの出演が決まって、主役の小原早織さんに『適切な世界の適切ならざる私』を読んでもらったら、「横断歩道」が一番好きだったことからきています。このことを福間監督は今日のツイートでつぶやいたのですが、それを読んで文月さんはとてもうれしかったそうです。

福間監督は、撮影から映画の公開までの2年の間に成人式を迎えた文月さんに、20歳の女の子って、どうなんだろうと尋ねます。
「人それぞれだけども、20歳から21歳よりも、19歳から20歳へは、ひとつ壁を越えるという感覚かな。十代最後の日に何をやるか、なんて友だちとドラマチックなことを考えたけど、実際は淡々とすごした」と文月さん。
それを聞いて福間監督は「文月さんの中にくっきりとある、人とちがう自分、人と同じ自分。それをインタヴューに撮ろうと思ったのを思い出した」。
「自分のなかでは、短いスパンの自分の持続というか、いくつかの点と壁を越えて、乗ってる電車は同じかもしれないけれど、通り抜けてきた先にいつかは大きな乗り換えがあるかもしれない。どこかで窓を開いて飛び降りるかな」と文月さん。さらにつづけて「この映画を見て、同世代の女の子より、なんかなつかしい感じを持った。まわりはみんな淡々としているけど、この映画は揺らぎがくっきり出ていて、ユキは自分探しをしている印象です」と。

さて時間も残り少なくなって、話題は「原稿用詩タイツ」です!
タイツブランドtokone から発売されている、文月さんの詩の言葉が原稿用紙のマス目に入った模様のタイツ! もちろん今夜の文月さん、身につけての登壇です。
「詩集は、詩がパッケージされているけど、タイツだと外にむかって足に乗っかっているから、詩をそれくらいの感じで読んでもらっていいのではと……」。
壇上だと見えませんが、あとでロビーでしっかり見せていただきました!

トークショー文月悠光-6

締めくくりに文月さんは言いました。「映画のなかのユキは、どれがユキでもいい。観る人がユキのみに感情移入するのではなく、それぞれのなかにユキがいる、そう思います」。
そして福間監督は、「今日の文月さんを見ていて、映画の文月さん、それは残ると思った。19歳の文月さんを撮りました。僕としては「やった!」という気持ちです」。

『あるいは佐々木ユキ』は2月1日まで上映が続きます。ゲストトークもまだまだあります。一度観た方も、まだ観ていない方も、どうぞ「ユキ」の中の自分に出会いにポレポレに足をお運びください。

トークショー文月悠光-8



宣伝スタッフ:ぶー子
写真撮影:松島史秋




1月19日(土)、今夜は若いお客さんがたくさんいらっしゃっています。というのも、今夜のトークゲストは作家・コラムニストのせきしろさんです!

せきしろさんは、作家・コラムニストとして多くの著書を出版されており、『去年ルノアールで』(2006)、『不戦勝』(2008)、『妄想道』(2009)、『逡巡』(2012)、『学校の音を聞くと懐かしくて死にたくなる』(2012)などがあります。
また、お笑いコンビのピース又吉直樹さんとの共著『カキフライが無かったなら来なかった』(2009)、『まさかジープで来るとは』(2010)や、バッファロー五郎Aさんとの共著『煩悩短編小説』(2011)など数々の共著も執筆されています。
昨年の福間監督の詩のイベントにゲストで来ていただいたのがきっかけで、せきしろさんには本日お越しいただきました。

写真1

まずせきしろさんから福間監督に質問です。
「見たばっかりで映画の感想言うのはすごく難しいんですけど、聞きたかったのが、私の名前は佐々木ユキ、というせりふを3回言う意味って、なにかあるんですか?」
すると福間監督は、「変わったことをやるとか、うまくいかないかもしれないな、ということをやるときに、3回やったら狙ってやっているように思われるから、3回押すんですね」と解説。
「多分あれ5回いくと笑うじゃないですか、で、8回くらいいくと笑わなくなって、30回くらいでもう一回笑うじゃないですか。だから難しいじゃないですか、その加減とか。だから意図してるのかなって」とせきしろさんが言うと、会場からは笑いが。
またせきしろさんはこんな感想も。
「電車の音とかは耳に残るんですけど、ほぼ静かな感じで、僕が見た感想だと、午前中の10時半ぐらいの感覚がずっと続いていて、家に誰もいなくて自分ひとりの、学校を休んだときの感じがすごくよみがえるんですよね」
福間監督は、「照明なしでやってるんですけど、冬のいい光って午前中の光なんですよね」と「午前10時半の感覚」という指摘にうなずいていました。

写真2

続いて子供の下校シーンの話題へ。
福間監督は、子供たちの肖像権の問題で、映画に収めることの難しさを語りながら、でもやっぱりいいんだよね、と。子供の下校シーンはいくらでも見ていられると話すと、せきしろさんも、5時間は見ていられます、ということ。
それをながめていると、色々なドラマもあるというお話でした。

福間監督は、失明する前に何が見たいか、と考えて、若い女の子が出てくる映画の決定版を撮ろうと思ったそうです。それでアイドル映画を撮ろうと思い、女の子へのオマージュ映画という気持ちで『あるいは佐々木ユキ』を撮ったと話しました。
せきしろさんはアイドルにも詳しいので、福間監督はアイドルや女の子についてせきしろさんを質問攻めに。せきしろさんはアイドルグループのスマイレージや東京女子流、女優の多部未華子さんが好きなのだそうです。

写真3

最後にお二人の、作品を作っていくことや仕事への姿勢について。
福間監督が「もし『あるいは佐々木ユキ』とせきしろさんの作品とつながる要素があるとすれば、作品を成立させるのを、きちっと作っていくのではなくて、それ以外の方法を考えてみようというのがあると思うんですけど、どうですか? 表現をきちっきちっと積み重ねて、これが日本の文化の中で大切です、みたいに持ってこられると、やめてくださいって思っちゃうんですよね」と言うと、せきしろさんは、「そうですね、きちっと作ろうとは意識していないですね」とのお答。
そして、福間監督は、せきしろさんの作品にはギャグがあって、自分もギャグをやりたくて、映画の中に笑ってほしいところを入れているんだけれども、観客は笑ってくれない、どうしたらよいのか? とせきしろさんに尋ねたところ、映画の中の面白かったシーンをせきしろさんは話してくれました。
「僕はフランス語の台詞とか面白かったですよ。あれはすっごい笑いました。もうだめでした。何言ってるのか全然わかんないし。あれも3回でしたね。あとはやっぱり自己紹介は面白いですね。ふたりのカルタもすごいルールでしたね、成立するんだなって」。
福間監督「普通だったらカルタの絵柄を見せたり、カット割りをして作っていくんだけど、そういうこともしないし。せきしろさんはどうですか? ご自身の作品を書く中で、普通はこうだけど自分はこうじゃない、みたいなのはありますか?」
せきしろさん「ぼく、ほんと何も考えてないんですよ。11月から原稿全然書いてないんですよね」。
福間監督「じゃあ、主に普段何をしているんですか?」と直球な質問。
せきしろさん「ぼくは、ほぼ布団の中にいるんですよね。天井の模様を見てますね、阿弥陀模様の……。ほんとにやばいんですけど。寝るのが好きなんですね」
福間監督「ほおー! いいですねー! それは映画に撮ったら面白いですね」と興奮。
せきしろさんの、意気込みすぎないまったりとした面白いお話に、客席からは何度も笑いが起こりました!
みなさんも書店で、せきしろさんの著書、ぜひ探してみてください。

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『あるいは佐々木ユキ』2週目に突入しました。
まだ観ていないみなさんも、劇場に是非いらしてください。
トークの最後に福間監督は、「2回来てくれたら感激して抱きしめます」ということですので、すでにご覧になった方も、是非ともまたよろしくお願いします。

宣伝スタッフ:ぶー太
写真撮影:加瀬修一/ぶー子




1月18日金曜日、ちょうど公開から1週間がたちました。
今日のトークゲストは前田弘二監督です。
前田監督は、ひろしま映像展2005において、『女』、『鵜野』でグランプリを獲得、2006年には第10回水戸短編映像祭において、『古奈子は男選びが悪い』がグランプリを受賞。そして記憶に新しい2011年には、吉高由里子主演の『婚前特急』を監督し、大ヒットさせました。本作にて、第33回ヨコハマ映画祭新人監督賞、第21回日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞、第3回TAMA映画祭最優秀新進監督賞の三冠を受賞。今年に入ってからは、監督作であるテレビドラマ『太陽は待ってくれない』が劇場公開、そして現在、BeeTVにてドラマ『ラブ・スウィング〜色々な愛のかたち〜』を配信中。大活躍中の若手監督です。

福間監督も、前田監督の作品にはいつも刺激を受けている、とのこと。
福間監督の前作、『わたしたちの夏』の公開時にも、トークゲストとして登壇してくれました。
今回の『あるいは佐々木ユキ』は、試写で観ていただいた上に、ポレポレでは2日前と今日の二度目(つまり三度目!)の鑑賞後、福間監督とのトークにのぞんでいただきました。

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前田監督はまず、「今日ここで、どうしたらこの映画を伝えられるのかな、と思ったんですが、出てきた僕の言葉が陳腐になるぐらいものすごい映画だな、と思いました。ずっと楽しいんですよね、すごくドキドキもして、快感も得られました。何に感動しているのかわからないくらいの強烈さがありますね」と映画の感想を述べました。
それに対して福間監督は、「自分でもこういう映画だって言えないんだけども、わかってしまったら表現する意味はあるのかどうか、わからないから表現するんだ、というのがいいんじゃないかな。良い画があって、良い音があって、真ん中に女の子がいて、それを取り囲む人物がいて、全体として世界があればいいのかな、と。編集には時間がかかっていて、その間わからなくなることもあったのだけど、すっきりしたとこに行けたかな」との答。
編集や演出の話から、映画の作り始めの話へ。
「僕の作り方とはまったく違うので、どうやって作り始めたのかが知りたいです」と前田監督。

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福間監督は、「これは、前作にも出演していた小原早織さんでもう一本やろうかというところから彼女と話をしながら、彼女の持っているものも引き出していったんですね。はじめは『スマイル』というタイトルで、その後『佐々木ユキ主義』だったんだけども、主義と微笑みだけでは生きられないんじゃないかな、となって最終的に『あるいは佐々木ユキ』というタイトルになりました。映画の準備過程が作品に反映されている部分もあるね」と答えていました。

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カメラマンの鈴木一博さんとのエピソード、音響設計の小川武さんとの会話なども交えて、どうやって作品が出来たかを話したところ、前田監督は、
「監督とかカメラマンとかいろんな人の考え方が入っていて、とても豊かだな、と感じましたね」と語り、同時に、映画の中の豊かさがどう作られているかがわからないと話されました。
これに対し福間監督は、この豊かさは、決まりきった一般的に良いと言われるような芝居は使わないこと、スタッフそれぞれが監督とはまた違った考えで映画を思い描いているからではないか、とエピソードを交えての答。

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そして、ふたりの監督のこれからについて。
前田監督は「この『あるいは佐々木ユキ』で、インタビューや詩をこうやって取り入れる自由さなんかも感じて、もっといろんな可能性を追求して、映画を見る物差しを広げていきたい。撮り方も自由で、映画でしか味わえないものがあればいい、という気持ちでやりたい」。
すると福間監督も「そうだよね。これは映画じゃないと言われたら、じゃあ映画じゃなくていいと思うよね。一本の映画の中でいろんなことをしていいのに、パターンが繰り返されてるだけではね……。試せることを試していこうと希望を持っていきたいですね」とこれからの映画製作への姿勢を確かめていました。
歳の差30歳の前田監督と福間監督ですが、目指すものには通じるものがあるようです。
大活躍中の前田監督のこれから、とても楽しみですね。
そして、早くもふたりの次回作が待ちどおしいです。

宣伝スタッフ:ぶー太
写真撮影:加瀬修一




『あるいは佐々木ユキ』ポレポレ東中野での公開が間近に迫りました。
トークゲストもどんどん決まってきています。
今後も、決まり次第ひきつづいてお知らせしていきます。
どうぞお楽しみに!

*上映
2013年1月12日(土)〜 
 11:00〜  21:00〜 (一日2回上映)

*    イベント

1月12日(土) 初日舞台挨拶
   11時の回上映後 小原早織(主演)、福間健二監督
   21時の回上映前 小原早織(主演)、吉野晶、千石英世、川野真樹子ほか出演者、
            福間健二監督

1月14日(月・成人の日) ゲストトーク
   21時の回上映後 文月悠光さん(詩人・本作出演)
            福間健二監督
*大雪のため中止となり、20日に変更になりました!  

1月18日(金) ゲストトーク
   21時の回上映後 前田弘二さん(映画監督)
            福間健二監督

1月19日(土) ゲストトーク 
   21時の回上映後 せきしろさん(作家・コラムニスト)
            福間健二監督

1月20日(日) ゲストトーク
   21時の回上映後 文月悠光さん(詩人・本作出演)
            福間健二監督

1月24日(木) ゲストトーク 
   21時の回上映後 森下くるみさん(女優・文筆家)
            福間健二監督

1月25日(金) ゲストトーク
   21時の回上映後 山戸結希さん(映画監督)
            福間健二監督



     
特別鑑賞券¥1200 絶賛発売中!
当日料金:一般¥1500 学生¥1300 シニア¥1000
*    リピーター割引:半券ご提示で、2回目から¥1000に。
*    ポエトリー割引:どんな詩集でもご提示で、一般のお客様も学生料金に。
           詩集をポッケに映画を見に行こう!

ポレポレ東中野
 JR東中野駅西口改札北側出口より徒歩1分 
 地下鉄大江戸線東中野駅A1出口より徒歩1分
 TEL 03-3371-0088    http://www.mmjp.or.jp/pole2/



COMMENTS


冒頭、詩人の文月悠光が登場すると、福間監督映画の真打ち登場といった感じがする。映画は20歳の女性の「私と、私ではない私」という物語を紡ぎ出すが、それはむしろ外郭に過ぎず、「言葉×映像」の探求こそ本作の主題であることに気づかされる。 私たちがいかに言葉を獲得していくのかを、きわめて「映画的」に描写するクライマックス……深く頷かされました。前作、前々作で異物のように設えられた虚構性は影を潜め、福間映画のいちばん柔らかい部分や上澄みだけが抽出されたような言語×映像世界。鈴木一博さんの撮影がとても素晴らしかった。福間監督の映画はいつも刺激的だけど、今回は特に「言葉と映像」の関わりが非常に滑らかで、多くを考えさせられました。
港岳彦(脚本家)



研ぎ澄まされた言葉の連打に、思わず目を閉じてしまう。言葉が流れて行く。粗末な試写室の固いパイプ椅子に座っていても、心地よさにため息が出る。ありふれた光景が映像と音で語られたとき、全てがかけがえのないものに見えて来る。ボクがいちばん観たかった映画。『あるいは佐々木ユキ』。
小林政広(映画監督)



天使を捨てた男。妖精を捨てない女。産み落ちたキズを抱えて生きる若者よ。水溜りに濡れるのを恐れるな。流れ行くモノレールの夕景がキレイ。そして佐々木ユキ役の小原早織の目が忘れられない映画だった。
田中じゅうこう(映画監督)



『あるいは佐々木ユキ』、きれいな、冬のえいが、ことばほろほろ落ちてくる、降り積もって、ちらりと見ているこちらを。
なしの/nashino



午後、渋谷へ。福間健二監督の映画『あるいは佐々木ユキ A Fairy Tale』の試写会に行く。立川近辺の風景、地上から離れたモノレールの高さから見る多摩の夕焼けや街の風景、その奥行きの深さ、その色合いの優しさなどを強く感じる。ヒロイン佐々木ユキを深く包みこむ視点に注目した。
水島英己(詩人)
*水島さんの詳しい批評はこちら
 http://www.facebook.com/hidemi.mizushima?fref=ts



『あるいは佐々木ユキ』福間健二監督。すさまじかった! 何が襲ってきたのか分からない映画体験。むちゃくちゃこわくてドキドキしっぱなし、同時にずーっと楽しい異常な体験。ときどき猛烈に感動するんだけど、自分が何に感動しているのかさえ分からない。世界は早く福間健二監督に目を向けた方がいい。
前田弘二(映画監督)



詩人の福間健二さん監督の『あるいは佐々木ユキ』を拝見。ゴダール/トリュフォーのさらに先の領域で撮った、音と光による自在なエッセイになっています。三部作では一番好きかな。私もエキストラで出ました。
金子遊(映像作家・批評家)



佐々木ユキという女性がいることのドキュメントとしてみました。
物語としての架空の存在、ではなく実際にそこにいる一人の女性の言葉として聞いて、姿としてみて、彼女のまとった空気と彼女の周りの世界を受け取っていました。
断片的でとりとめも無くて、ただそうなのかとこちら側は観ているだけなのですが、その観ているという行為に芯が無いのです。観ているこちらの。同化してそこの空気、光に自分もなっているような錯覚を覚えました。

さらに自由でさらにへんになっていて、それが居心地がいい。不思議な体験でした。スクリーンで観たらまたきっともっと違う。言葉の力と言葉にない光や音の力と。震災直前のまちの姿、空気、光がおさまっている。タイムカプセルのようにしてそこにあること。でもずっと不穏な空気が充満している。

今生を終えるときの一瞬の夢のような断片。一人一人が実在するようでしないようででもしている感じ。ふわふわとした地に足の着いてない世界。あの世のような。でもそのふわふわ感がどうしようもなく自分が14年ほど暮らした東のまちの姿であり土地なんだよな、と懐かしく思い出しました。

見る人それぞれに違うように作用する幻覚剤のような。
魔法だなと思います。

歌を聴くように物語を読むように酔っぱらって千鳥足で歩くときのように少しずつずらされていく感覚。そしてまぎれもなく映画体験。
とても嬉しかったです。ずっと何度も観ていたいです。

最後にもう一人のユキと夜の町中で会って、ふっと笑うユキちゃんの顔が、表情に、やられました。
笑った顔が、とてもいいですよね。きゅ、と詰まってる。いろんな人の思いが。

見る人の数だけそれぞれの佐々木ユキがうまれるんだと思います。沢山うまれてほしいです。
佐々木ユキ主義、いいですよね。自分も主義を持ちたいと思いました。

なんというか、ずっと喋っていたくなったり黙って思っていたくなったり、ひとの感覚に作用しますね。わたしたちの夏の夏の湿度から、今度は冬の乾いた空気になっていて、あの時期の土地のことを時間をこうして記録してもらえたことはとてもよかったと思いました。
ありがとうございます。とお礼を言いたい気持ちです。

きっと酔っぱらいながらだらだらとあそこはああだった、こうだった、と話しながら、突然ユキの物真似を始めたり、自分もなってみたり、自分の主義を言い出してみたり、そうして反芻するのがきっととても面白いと思います。拡散している光のような映画でした。眩しくて目にいたいくらいです。そしてとてもやさしい。冬の匂いがするようでした。
中西佳代子(双葉企画室)



言葉としての映像か、映像としての言葉なのか……。そんな観客の取るに足らない思いは、文月悠光の「言葉の宴」によって始まり、鈴木一博の「映像の宴」によって覚醒される。まるで中原中也とヴィンセント・ムーンのコラボを観ているようだ。
東中野の小屋を出て、寒空の中、目の前を中央線が走り抜けて行った。
生き急ぐ俺って「あるいはさ、先行き」ではないかと。
杉村重郎(アニメプロダクション勤務)



本当におもしろかったです。
冬の光が本当に美しくて、ユキがさまよい歩くところ、朗読と出逢うところ、踊るところ、立川あたりの多摩っぽい冬の光が、僕には懐かしくもあり、きれいで、寂しくて楽しくて、人間が生きていること、木が生えていること、街があるということ、雑踏、落ち葉が散ってそこにあるということ……存在するということ自体に光が当たっていて、なんだか泣けてきました。「佐々木ユキ主義」を記して、「ごはんには味噌汁と明太子」と言って、ごはんをのりで巻いて明太子のっけてパクッと食べるところでは本当に涙が出ました。
室内でも光がすばらしく、だから夜のシーンは少し霞んで見えてしまいました。

「豚」というモチーフもいいですよね。「…軍艦」と言ったところは笑いました。 「〜の精」というのも詩的だけど、あの世界には日常的にあってもおかしくない言葉として存在していて、ただ日常を切り取っただけではああは表現できない、福間世界の強度も感じました。踊りやヒップホップのリズムが非常に身体的で、そこがさらに存在を照らす光の美しさを倍増していたのかなとも思います。

成人の日で終わる事も含めて、秋が深めいてだんだんクリスマスや年末が近づいている、正月が来る、というあの冬の感じが、実際の冬本番を前に観るとたまらなく愛おしかったです。
石川多摩川(映像作家)



昨日ポレポレ東中野で、福間健二監督作品「あるいは佐々木ユキ」を観てきました。
観ていてとても気持ちがよかったです。
大好きな、砂川七番の gallary septima がいくつかの素敵なシーンに出てきたり、いつもみなれているモノレールやモノレールからの景色が、凄い美しくて、立川駅や知っているいつもの場所が、全然違った風景に見えたりして、今私たちが生きて、生活している世界が、特別で、なにか不思議な手触りや質感をもってかんじられる気がしました。
特に、映像の力を強く感じます。これこそ映画という!
ある場所にある人がいるだけで、ある物があるだけで、それだけで圧倒的な存在感とそして意味までも、ヒトもモノも発し出すという不思議さ。ドキュメンタリーとフィクションのはざまで撮られた映画です。
何かものを作っている方、表現されている方は是非ご覧になってください。凄い勇気をもらえると思います。詩人でもある、福間健二さんが、映画の中で、詩や文や言葉をさまざまに引用し、使って、映像と融合させて、あるひとつの世界を創りあげていらっしゃいます。見て損はないです!
多摩にお住まいの方たちも是非に! 世界が違って見えるかもしれませんよ!
ハナ ジャスミン(空豆ファクトリー)





2013年1月12日土曜日、『あるいは佐々木ユキ』は、ポレポレ東中野での上映をスタートしました。福間健二監督作品としては、初めてのモーニングとレイトの1日2回上映。福間監督はじめ、関係者みんながドキドキの初日です。

午前10時半をすぎると、ぞくぞくと駆けつけてくださったお客様が受付に列をなし、こちらの不安を吹き飛ばす大盛況でのはじまり!
ポレポレの大スクリーンの『あるいは佐々木ユキ』はいっそう輝いて「ユキ」の魅力がぐんと増していて、監督はもしかしてウルウルしてた?? 上映後の主演・小原早織さんとの舞台挨拶も、いつもと違ってましたよね。

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そして、21時からの回は、なんと補助席も埋まるほどの大入り満員!
上映前の、出演者と福間監督の舞台挨拶。それぞれの言葉でこの映画について語り、大拍手を受けました。
ご来場くださった皆さん、ほんとうにありがとうございました!

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初日1日でたくさんの方に観ていただいた『あるいは佐々木ユキ』。すでにツイッターやフェイスブックでも熱い感想をいただいています。
これから3週間にわたって、トークイベントも行ないながら、「ユキ」は毎日ポレポレ東中野にいます。
どうぞよろしくお願いします!

14日(月・成人の日)の21時の回上映後は、本作出演の詩人の文月悠光さんをゲストにお迎えして、福間監督とのトークがあります。
ぜひいらしてください、お待ちしています!

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宣伝スタッフ:ぶ—子
写真撮影:小山伸二・酒井豪





地方での公開もつぎつぎと決まってきました。
2013年は、ユキの年です!
スケジュールが決まり次第、お知らせします。
楽しみに待っててくださいね!


シネマテークたかさき
2013年4〜5月
http://takasaki-cc.jp
 
 
大阪・第七藝術劇場
2013年4〜5月
http://www.nanagei.com/




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